第II部 国土交通行政の動向 

第1節 技術研究開発の推進

1 総合的な技術研究開発の推進

 技術研究開発の実施に当たっては、国土交通本省各局、研究機関、地方整備局、北海道開発局において、産学官の一層の連携体制の充実を図りつつ、分野横断的・総合的な技術研究開発を推進するとともに、その技術を公共事業、建設・交通産業へ積極的に反映している。
 また、今後の国土交通省の技術研究開発の方向性を明らかにするため、科学技術基本計画を踏まえ、社会資本整備重点計画とも整合をとりつつ、平成15年度から19年度までの5年間を計画期間とする国土交通省技術基本計画を策定した。
 本計画では、利用者である国民の視点を重視し、国民の暮らしに関わる5つの目標と、これらの目標を具体化するための10テーマの重点プロジェクトを設けている。また、成果目標として、計画の推進により達成される将来の暮らしの姿を示している。これにより関連部局が一体となりソフト・ハードを含めた総合的な研究開発を推進するなど、研究開発の重点化を図っている。

 
図表II-10-1-1 国土交通省技術基本計画の概要

国土交通省技術基本計画の暮らしに関わるいつつの目標は、(1)安全で不安のない暮らしの実現、(2)良好な環境を取り戻し美しく持続可能な国土の形成、(3)快適で生活コストの安い暮らしの実現、(4)国際競争力を高め活力ある社会の実現、(5)誰もが社会の一員であることを実感できる社会の実現である。目標を具体化する10テーマの重点プロジェクトは、(1)東海、東南かい・南海地震を中心とした地震災害対策の強化、(2)陸・海・空の事故防止。削減のための総合的技術の開発、(3)地球にやさしい低公害交通機関等の開発、(4)自然共生型国土基盤整備技術の開発、(5)循環型社会を構築する技術の開発、(6)地球規模の環境変動再現データベースの構築と地球温暖化メカニズムの解明、(7)安全で低コストな大深度地下利用を可能にする技術の開発、(8)建設ロボット等による自動化技術の開発、(9)非破壊検査等による社会資本の健全度評価技術の開発、(10)宇宙・海洋などのフロンティア分野の開拓である。

 

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