第II部 国土交通行政の動向 

コラム・事例
豊かな自然「コイ、フナ、ドジョウ」ふたたび〜松浦川アザメの瀬における自然再生〜

 佐賀県を流れる松浦川、その中流部にあるアザメの瀬地区は、たびたび大規模な洪水被害を受けてきました。一方、開発が進んだ結果、魚が棲む自然豊かな環境が大きく失われました。
 このような中、洪水被害を軽減する方策について検討を進めてきましたが、地元との協議の結果、洪水対策と自然豊かな環境の再生を合わせて実施する「アザメの瀬自然再生」を、平成15年度からスタートさせることになりました。
 アザメの瀬地区は面積約6ha、延長約1,000m、幅約400m。丘陵に接し、水害を防ぐ竹林があります。「アザメの瀬自然再生」は、川に面した土地を掘り下げて豊かな生態系を育む湿地とし、洪水時には川の水を湿地へ氾濫させ、一時的に貯めようとするものです。
 平成16年に実施された魚の産卵調査によると、800匹程度のコイ、ナマズなどの魚が捕獲され、湿地内で産卵したことも確認され、順調に自然再生が進んでいることが確認できました。
 今後も、地域住民と連携し、自然環境の変化を確認しながら事業を進めていきます。

 

▲自然再生前のアザメの瀬地区

 

▲「アザメの瀬」検討会の様子

 

▲アザメの瀬基本構想図原案

 

▲平成16年9月現在のアザメの瀬地区
 昔あった豊かな生態系を育む湿地環境の回復

 

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