災害に強い国づくりをめざして 

コラム・事例
日本が島を守ってくれた〜モルディブ共和国における高潮対策事業の津波防止効果〜

 モルディブ共和国の首都マレのあるマレ島は、標高が1m台と低く、かつては高潮による浸水被害が頻発していました。昭和62年、マレ島の約1/3が浸水する大きな高潮災害後、モルディブ政府からの要請に基づき、日本政府は無償資金協力による高潮対策事業に着手しました。建設省、運輸省(当時)の職員が調査、技術的指導を行い、平成14年、マレ島の全周約6kmを囲む離岸堤及び護岸が完成しました。
 今回のスマトラ島沖地震に伴い、高さ約3m強の津波がマレ島にも来襲しましたが、護岸をやや超える程度に収まり、マレ市街は浸水したものの、死者は皆無であるなど壊滅的被害は免れました。モルディブ全土では死者・行方不明者合わせて108名に達したことと比較すると、マレ島においては、我が国が整備した護岸等が津波被害の軽減に大きく役立ったものと考えられます。

 

▲モルディブと震源地

 

▲マレ島を囲む護岸及び離岸堤

 

▲護岸への津波の襲来状況(モルディブTV提供)

 

▲マレ島内は広範囲で浸水したものの、壊滅的被害は免れた。(モルディブTV提供)


 

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