第I部 安全・安心社会の確立に向けた国土交通行政の展開 

(2)内水被害の拡大

 都市の形成に伴い、多くの地域で地表面がコンクリートやアスファルト等で被覆されたため、雨水が地下に浸透しにくくなっており、短時間に大量の雨が降ると、一度に雨水が下水道等の排水施設へ流入し、河川へ排出処理されない事態が生じている。

 
図表I-2-3-4 東京都における下水道への雨量流入量の変化

東京都では、高度経済成長期以前は、雨水の約5割が下水道に流入していたが、現在、都市化により雨水の浸透域が減少した結果、雨水の下水道への流入量が約8割に増大し、浸水被害が発生している。

 この結果、都市部においては、平成17年台風第14号に伴う集中豪雨で東京都杉並区を始めとする首都圏にも見られたように、地下に浸透しなかった雨水が河川に流れ込むことができずに市街地等に溜まって生じる水害(内水被害)が多発しており、都市部における内水被害額も大きくなっている。
 このため、河川、下水道等の整備を進めるなど、内水被害の軽減に向けた対策が求められている。

 
図表I-2-3-5 全国と東京都における内水被害額の比較

全国と東京都における内水による被害額と外水等の内水以外による被害額の割合を比較すると、全国は、内水による被害額が47.5%、外水等の内水以外による被害が52.5%である一方、東京都は、内水による被害額が92.9%、外水等の内水以外による被害額が7.1%である。
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