第I部 安全・安心社会の確立に向けた国土交通行政の展開 

第8節 社会資本の適切な維持管理・更新の推進

 今後、これまで整備されてきた社会資本が順次、老朽化していく中で、安全の確保等その本来の役割を果たし続けるためには、維持管理・更新を計画的かつ効率的に行っていくことが必要である。
 まず、維持管理・更新投資が拡大していくと見込まれる中で、厳しい財政制約の下、適切な維持管理・更新と、新たなニーズに対応した新設投資のバランスをどのようにとるかについて、十分な検討が必要である。
 また、維持管理・更新を進めていくに当たっては、予防的修繕により施設を延命化するなどライフサイクルコスト(生涯費用)が最小となるよう計画的な補修を推進すること、維持管理・更新について一層のコスト縮減を図ること、民間も活用しながら効率的な維持管理を図ること、適切な管理水準で維持管理を行うこと、社会資本の更新時期の平準化を図ること、人口減少を踏まえた施設の更新のあり方を検討すること等が必要である。さらに、地方公共団体においても維持管理・更新が大きな課題となっていることから、国において地方における維持管理・更新の体制や技術的支援のあり方等を検討する必要がある。
 維持管理・更新投資の需要に対応して、技術開発等により、国内はもちろん、海外にまで活動の場を広げる企業も見られるようになっており、民間においても新たなビジネスチャンスであるという視点で積極的に取り組むことが期待される。

 

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