第II部 国土交通行政の動向 

第5節 ユニバーサルデザインの考え方を踏まえた国土交通政策の推進

 本格的な少子高齢社会の到来や人口の減少等が見込まれる中、従来のバリアフリー(注)施策に加え、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づき、まちづくりや交通環境整備等を進めていくことが必要である。
 国土交通省では、ユニバーサルデザインの考え方を踏まえた国土交通行政を推進するため、平成16年10月、省内に「ユニバーサルデザイン政策推進本部」を設置し、施策の総点検を実施するとともに、内外の有識者との討議等を行い、「ユニバーサルデザイン政策大綱」を17年7月に策定した。
 今後、この大綱に基づき、多様な関係者(利用者、住民、NPO等)の参画の仕組みの構築、一体的・総合的なバリアフリー施策の推進、だれもが安全で円滑に利用できる公共交通の実現、だれもが安全で暮らしやすいまちづくり等の各種施策に取り組んでいく。

 
図表II-1-5-1 ユニバーサルデザイン政策大綱の概要

「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方を踏まえ、今後、身体的状況、年齢、国籍などを問わず、可能な限り全ての人が、人格と個性を尊重され、自由に社会に参画し、いきいきと安全で豊かなに暮らせるよう、生活環境や連続した移動環境をハード・ソフトの両面から継続して整備・改善していくという理念に基づき、政策を推進している。


(注)高齢者・障害者等が社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去(フリー)すること。物理的、社会的、制度的、心理的な障壁、情報面での障壁を除去するという考え方

 

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