第II部 国土交通行政の動向 

3 ハード・ソフトの基盤整備

(1)中心市街地の活性化

1)中心市街地活性化のための新たな枠組み
 中心市街地の活性化に向けて、平成10年以降、「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律(中心市街地活性化法)」により市町村が作成する基本計画(17年12月末現在、683地区で作成)に基づき、商業等の活性化のための事業との連携に配慮しつつ、中心市街地における市街地の整備改善に関する事業等を重点的に推進してきた。
 しかしながら、中心市街地の現状は、一部で改善傾向が見られるものの、全体としては依然として厳しい傾向にある。今後の人口減少・超高齢社会を迎えるに当たり、高齢者も含めた多くの人々にとって暮らしやすいコンパクトなまちづくりを図ることが重要である。
 このためには、まちなかに都市機能を集積、誘導する振興方策と、広域的な判断をしながら都市機能の適正立地を図るための方策の双方が必要である。
 このような基本認識に基づき、都市機能の適正立地のため都市計画制度を見直すとともに、まちなかに都市機能を集積、誘導する振興方策としては、平成18年度に「選択と集中」の考え方に基づき、まちなかの暮らし・にぎわいの再生に資するまちづくりの支援を推進する「暮らし・にぎわい再生事業」の創設等を行うこととしている。また、基本理念や国等の責務規定、国による基本計画の認定制度、中心市街地活性化協議会の創設、中心市街地活性化本部の設置等を盛り込んだ「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案」を第164回国会に提出した。

2)賑わいの感じられる道づくり活動の支援
 中心市街地の商店街の魅力向上のために、地域住民の参画を得ながら地方公共団体が計画を策定し、中心市街地への連絡道路の整備、商店街のミニバイパスや歩道の整備、植栽、無電柱化等を進めている。また、豊かさや賑わいが感じられる道づくりを実現するため、道を活用したイベント開催、美化活動等、NPO・住民等が道を活用した地域活動や道路管理に参画する機会の拡大を図っている。

3)地域のまちづくりに寄与する官庁施設の整備の推進
 「シビックコア地区(注)整備制度」を活用し、地域との連携の下、官公庁施設を核とした魅力とにぎわいのある都市拠点の形成を推進している。平成17年12月末現在、全国16地区の整備計画が策定されており、官庁施設の整備については5地区において完了し、5地区において実施中である。

 
合同庁舎整備に着手したシビックコア地区(静岡県浜松市)




(注)魅力とにぎわいのある都市の拠点となる地区の形成に資するため、関連する都市整備事業との整合を図りつつ、官公庁施設と民間建築物等を総合的かつ一体的に整備する地区

 

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