第II部 国土交通行政の動向 

(2)都市機能の適正立地のための都市計画制度の見直し

 近年、モータリゼーションの進展等を背景として、広域的に都市構造に大きな影響を与える大規模集客施設が郊外に多数立地しており、公共公益施設の郊外移転も進んでいる。こうした都市機能の無秩序な拡散は、中心市街地の空洞化だけでなく、高齢者等のアクセシビリティ(施設への到達容易度)の低下や公共投資の非効率性等を招いており、今後の人口減少・超高齢社会を迎えるに当たり、都市の拡大成長から既存ストックの有効活用と都市機能の集約促進を目指す方向へ、都市政策の理念・制度を転換する必要がある。特に、大規模集客施設については、広域にわたり都市構造に大きな影響を及ぼすことから、立地しようとする場合には都市計画の手続を要することとし、当該手続を通じて、広域的な観点からの調整を図りつつ、地域の判断を反映した適切な立地を確保することが必要である。
 こうした課題に対処し、都市機能の適正立地を確保するため、準都市計画区域制度の拡充、都市計画区域等の区域内における大規模集客施設の立地に係る規制の見直し、開発許可制度の見直し等都市計画に関する制度の整備を行う「都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案」を第164回国会に提出した。

 

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