第II部 国土交通行政の動向 

(3)国際競争力の強化に向けた航空物流機能の高度化

 今後一層の拡大が見込まれる国内外の航空貨物需要に対応し、我が国の国際競争力を強化するため、大都市圏拠点空港の整備(東京国際空港(羽田)再拡張事業、成田国際空港平行滑走路北伸、関西国際空港二期事業)や既存ストックの有効活用等により、航空物流機能の高度化を推進している。
 各大都市圏拠点空港における空港整備以外の取組みとしては、成田国際空港では空港南部貨物地区に隣接するエプロンの貨物の積み卸しを可能とするための施設整備、関西国際空港では増大する国際航空貨物を効率的に取り扱うため、各種貨物上屋等を整備することによる国際物流拠点としての機能強化、中部国際空港では需要に対応した貨物上屋の拡充や総合保税地域を活かした物流機能の高度化の取組みを行っている。東京国際空港(羽田)については、平成21年中の再拡張事業完成後の国際旅客定期便のベリースペース(注1)の活用に加え、深夜早朝時間帯における国際貨物便の就航について、騒音問題に十分配慮しつつ実現を図ることとしている。
 また、貨物量の増大とともに、荷主企業のSCM(注2)の進展により物流ニーズが高度化・多様化している中で、我が国の物流事業者が市場での競争の下で、ニーズに応えたサービスの安定的提供が可能となる国際物流環境の整備が必要となっており、国際旅客チャーターのベリースペースの活用を認めるなどの施策を推進している。


(注1)旅客機の床下に設けられた貨物室
(注2)サプライチェーンマネジメント:企業活動の調達・生産・販売の一連のモノの流れを統合管理し、その全体最適化を図ること

 

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