第II部 国土交通行政の動向 

1 公共交通機関における安全対策の強化

 平成17年4月のJR西日本福知山線列車脱線事故、航空分野における各種トラブルの多発等、公共交通機関において事故・トラブルが多発している。これらの事故・トラブルの多くは、共通要因としてヒューマンエラーとの関連が指摘されており、エラーをおかした人間のみを問題視するのではなく、エラーの背後関係を調べ、システム全体で事故防止策を検討することが重要である。
 このような状況を受け、国土交通省では、平成17年6月より、外部有識者をアドバイザーとして加えた「公共交通に係るヒューマンエラー事故防止対策検討委員会」を開催し、同年8月に中間取りまとめを行った。同委員会では、公共交通の事業者において経営トップから現場まで一丸となった安全管理体制(安全マネジメント態勢)の構築の必要性、この安全マネジメント態勢の確認を国が行う「安全マネジメント評価」の仕組みの導入の必要性、予防安全型技術の必要性等、新たな方向性が示された。
 国土交通省では、これらの方向性の具体化を含め運輸の安全性の向上を図るため、「運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律案」を第164回国会に提出し、運輸全般にわたる安全対策の強化を目指している。

 

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