第II部 国土交通行政の動向 

(1)鉄軌道の安全の確保

 鉄道事業者に対し、施設・車両の維持管理や運転取扱いの状況等に関する保安監査を実施するとともに、鉄道事故が発生した場合は、規則に基づく報告を求め、それらの調査分析を進めることにより事故の防止を図っている。
 また、平成15年2月に韓国で発生した地下鉄事故を踏まえ、地下駅の利用者の安全を確保するため、「地下鉄道の火災対策基準」を満たしていない地下駅については20年度末までに所要の火災対策施設の整備を義務付けるとともに、その整備費用の一部を支援する地下駅火災対策施設整備事業により、火災対策の促進を図っている。
 さらに、平成16年新潟県中越地震により、走行中の新幹線が脱線したことを踏まえ、新幹線を運行しているJR各社等からなる「新幹線脱線対策協議会」を設置し、脱線防止対策、被害軽減対策、鉄道構造物の耐震対策等について施設面・車両面から検討を行っている。これを踏まえ、活断層と交差しており耐震対策が必要なトンネルについては19年度までに耐震補強を実施し、中間部付近が拘束されている高架橋柱については18年度までに、その他の高架橋柱についてはおおむね19年度までに耐震補強を完了することとしている。
 加えて、JR西日本福知山線列車脱線事故を受け、急曲線における速度超過防止用ATS等の緊急整備、運転士の資質向上の検討、技術基準の見直し等法令改正も含めた安全性の向上策を推進していく。

 

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