第II部 国土交通行政の動向 

4 安全保障と国民の生命・財産の保護

 平成16年に成立・施行された「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法)」は、武力攻撃事態等における避難、救援、被害最小化のための措置等について定めたものであり、17年3月に政府が策定した「国民の保護に関する基本指針」を受け、同年10月に、国土交通省、国土地理院、気象庁及び海上保安庁において「国民の保護に関する計画」を作成した。武力攻撃事態等において、国土交通省では、1)地方公共団体等の要請に応じ、避難住民の運送等について運送事業者である指定公共機関との連絡調整等の支援、2)離島等の避難に必要な船舶、航空機、港湾施設、飛行場施設の確保等の支援、3)道路、港湾施設、飛行場施設、鉄道施設等の応急復旧等を実施することとしている。また、海上保安庁においては、1)海上交通の安全確保、生活関連等施設周辺海域における警備強化、避難住民・救援物資の海上運送経路での監視等、2)捜索、救助・救急活動、運送力不足時における避難住民・緊急物資の運送等、3)NBC(核、生物、化学)攻撃災害に際しては、救助・救急活動等を実施することとしている。
 なお、武力攻撃事態等において避難住民・緊急物資の運送や公共的施設の適切な管理等を実施する「指定公共機関」として、陸・海・空の民間運送事業者や公共的施設管理者等が指定されており、これらの指定公共機関においても、自らの業務に関し、「国民の保護に関する業務計画」の作成が行われている。

 

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