第II部 国土交通行政の動向 

(3)生物や土砂の連続性の確保

 河川における生物の連続性の確保については、魚類の遡上・降下環境の改善に当たっての基本的な考え方を取りまとめた「魚がのぼりやすい川づくりの手引き」を平成17年3月に作成、公表し、全国の魚道整備等に活用している。また、河川に係る水や生物、土砂、物質の連続性を健全化する検討等を行い、湖沼等の富栄養化、生態系への影響、海岸線の後退といった広範囲に及ぶ影響の改善を図っている。
 ダム堆砂の進行、河床低下、海岸侵食等の土砂管理上の問題点が顕在化している流砂系においては、砂防、ダム、河川、海岸の各領域が連携しつつ、適正な量・質の土砂を下流領域に供給し、生態系、景観等の環境面の保全・再生を含めた総合的な土砂管理を推進している。

 
図表II-7-3-1 河川に係る連続性の確保

森・川・海の連続性確保の方策として、水や有機物の安定的な供給、土砂の流出防止に資する森林の整備・保全。適切な流量の維持と、適度な栄養や土砂等の流下に資する河川整備。森・川・海のつながりを海域の生産に有効に活かせる漁場整備が挙げられている。

 

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