第II部 国土交通行政の動向 

(4)南極における定常観測の推進

 国土地理院では、基準点・重力・地磁気測量、GPS連続観測、写真測量による地形図作成等の定常観測を実施している。第46次夏隊(平成16年11月〜17年3月)では、昭和基地における絶対重力測量等を実施した。これらのデータは、国際GNSS事業(IGS)観測等国際的に寄与している。
 気象庁では、昭和基地等でオゾン、日射・放射量、地上、高層等の気象観測を継続して実施している。それらのデータは天気予報や気候変動の研究等に用いられるほか、南極のオゾンホールの発見・解明に大きく寄与し、国際的な施策策定のために有効活用されている。
 海上保安庁では、海流、水温等の観測及び栄養塩、溶存酸素、重金属等に関する海水の化学分析及び海底地形測量を実施している。それらのデータは、南極周極流の変動特性を明らかにし、南極海の海洋構造を把握するために必要であり、地球規模の気候システムの解明に寄与している。また、潮汐観測も実施し、地球温暖化と密接に関連している海面水位変動の監視に寄与している。

 

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