第II部 国土交通行政の動向 

2 地域の自主性に基づく地域特性を活かした交流拠点づくり・まちづくり

(1)地域に密着した各種事業・制度の推進

1)道の駅
 道路利用者のための休憩機能、道路や地域の情報発信機能及び地域の連携機能を併せ持った、「道の駅」の整備を推進している。平成17年8月現在、全国830箇所が登録されている。

 
道の駅「富士川楽座」(静岡県)



2)水辺の交流拠点整備
(ア)水辺プラザ
市町村等との連携により、川を基軸として、地域の特性を活かした流域の人々の交流ネットワークを構築し、その核となる交流拠点として、「水辺プラザ」の設置を推進している。平成17年3月現在、全国117箇所が登録されている。

 
水辺プラザ 網走川(北海道)



(イ)ふるさとの川整備事業
 市民の憩いの場として水辺を再生する必要のある河川において、地域のまちづくり事業と連携し、周辺の地域特性に合う良好な水辺空間の形成を図っている。平成17年4月現在、186河川を認定している。

 
ふるさとの川整備事業 新町川(徳島県)



(ウ)桜づつみモデル事業
 河川管理者が堤防を強化し、市町村が桜等を植樹することにより、良好な水辺空間の形成を推進している。平成17年4月現在、296箇所を認定している。

 
桜づつみモデル事業 多摩川(東京都)



(エ)マイタウン・マイリバー整備事業
 河川と周辺地域が調和した良好な水辺空間を整備し、安全で潤いのある都市域を形成するために、河川事業と沿川の市街地整備に関する事業を、地域住民や学識経験者の意見を反映させながら一体的に実施している。平成17年4月現在、3河川を認定している。

3)地域住民の参加による地域特性に応じた河川管理
 河川環境について専門的知識を有し、豊かな川づくりに対して熱意を持った者を河川環境保全モニターとして委嘱し、その協力を得て、河川環境の保全・創出及び秩序ある利用のための諸業務や普及啓発活動をきめ細かく行っている。また、河川に接する機会が多く、河川愛護に関心を有する者を河川愛護モニターとして委嘱し、その協力を得て、河川へのゴミの不法投棄や施設の異常の発見等、河川管理に関する情報収集を行い、併せて河川愛護思想の普及啓発に努めている。
 さらに、河川の清掃、草刈等を行うボランティア団体や地域住民に対して、河川敷を植樹や花壇等としての利用に開放し、地域に根ざした親しみある水辺空間の形成を図る「ラブリバー制度」を推進している。また、市民参加型の河川管理のため、河川の特定の区間において住民と協定等を結び、清掃・除草等の管理を住民、自治体及び河川管理者が協働で行う制度(アドプト・プログラム)を実施している。

4)地域の活性化を支える港湾
(ア)みなとまちづくりの推進
 地域の個性ある発展を将来にわたり着実に進めるため、「みなと」の資産を市民の立場から再評価するとともに、観光や水産等の地域産業や海に開かれた特性等の「みなと」の資産を最大限に活用して、市民の合意の下で美しく活力のある「みなと」空間を形成する「みなとまちづくり」を推進している。また、地域住民や行政機関等官民一体となって作り上げる「みなとまちづくりプラン」の策定を支援するとともに、事業の実施に当たっては、地域の活性化をより早く、効果的・効率的に実現できるものについて、投資の重点化を図っている。

 
図表II-8-2-1 住民等が参画・連携する「みなとまちづくり」の推進

従来施策に加わる市民等の参画、多様な活動の活発な展開、地域連携の促進といった、新たなみなとまちづくり施策により、地域の生活と産業を支える活力あるみなと、豊かで親しみやすいみなと、美しく文化性に富んだみなと、海洋性レクリエーションや観光を核としたみなと、といった活力のあるみなと空間の創出を図る。

(イ)みなとオアシスの展開
 海浜、旅客ターミナル、広場等の「みなと」の施設や空間を活用した「みなとオアシス」を展開し、住民参加型の継続的な地域振興の交流拠点としており、平成17年12月末現在、中国、四国、東北地方に計15港が登録されている。

 

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