第II部 国土交通行政の動向 

(2)自然・歴史・文化を活かした地域づくり

1)国家的記念事業や我が国固有の文化的遺産の保存・活用
 国家的な記念事業として、又は我が国固有の優れた文化的資産の保存及び活用を図るため、閣議の決定を経て設置する国営公園の整備を推進しており、平成17年度までに5公園が開園している。

2)古都における歴史的風土の保存
 京都市、奈良市、鎌倉市等の古都においては、「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(古都保存法)」に基づき、建築物等の新・増・改築、宅地造成等の行為を制限するとともに、土地の買入れ等の古都保存事業や普及啓発活動等を実施することにより、歴史的風土の保存を図っている。

3)歴史的な公共建造物等の保存・活用
 地域のまちづくりに寄与するため、長く地域に親しまれてきた歴史的な官庁施設の保存・活用を推進している。
 また、豊かな自然環境と地域を守り続けてきた歴史的価値を有する砂防設備について、文化財としてふさわしい適切な維持管理や周辺との一体的整備等により、砂防施設を核とした地域活性化を推進している。
 
登録有形文化財に登録されている万内川砂防えん堤(新潟県)



4)歴史と文化の薫るみなとづくり
(ア)歴史的港湾環境創造事業
 石積みの防波堤、護岸等の今なお残る歴史的港湾施設を港湾文化の貴重な財産として保全・活用しながら、歴史と文化の薫る日本ならではの港としての空間を創出している。
(イ)港湾景観形成モデル事業
 港の特色を活かした良好な景観形成を図るため、モデル的な港湾において、景観形成のための計画を策定し、これに基づき港湾景観の積極的な向上を推進している。
(ウ)瀬戸内・海の路事業
 瀬戸内海に面した地域においては、古来から人々が海と親しみ、豊かな自然と貴重な歴史的資源が数多く存在している。これら個々の歴史的資源を有機的、広域的に結びつけ、新たな交流圏を創造し、瀬戸内海地域の一体化を図ることにより、地域振興を推進している。


 

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