第II部 国土交通行政の動向 

第4節 多国間・二国間交渉等を通じた取組み

1 多国間交渉・フォーラムを通じた取組み

(1)世界貿易機関(WTO)への対応

 世界の多角的貿易体制を発展させるために発足したWTOはモノの分野の自由化だけでなく、交通・観光・建設関連サービスを含むサービス分野をも対象としている。現在交渉中のドーハ・ラウンドにおいては、2004年(平成16年)7月に成立した今後の貿易自由化交渉の基礎となる枠組み合意の下、多角的貿易体制の維持・発展のため、2006年(平成18年)中の交渉終結を目指して活発な議論が行われており、国土交通省はサービス分野を中心に協議に積極的に参加している。
 特に、海運サービスについては、貿易促進のために自由かつ公正な海運市場の全世界的な形成が不可欠であり、我が国はドーハ・ラウンドでの交渉合意を目指し、議長国として海運関心国会合を開催する等先導的な役割を果たしている。
 建設分野については、我が国は大幅な自由化を既に実施済みであるが、新ラウンド交渉においては、建設関心国会合の議長国となるなど、各加盟国の建設市場の自由化の促進等を目的に交渉を展開している。公共事業を含む政府調達についても、手続の透明性の確保と市場参入の拡大を図ることを目的とした政府調達協定(GPA)の見直しに向けた交渉を行っている。

 

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