第II部 国土交通行政の動向 

コラム・事例 日本最大の湿原を守るために〜釧路川における自然再生〜

 釧路川に沿って広がる釧路湿原は、我が国を代表する自然環境の一つであり、野生生物の重要な生育・生息の場であるとともに、人間にとっても保水・浄化機能、洪水調節機能、地域の気候緩和機能等の重要な機能を持ち、将来にわたって保全すべき貴重な財産です。しかし、流域における経済活動の拡大により、湿原面積が急激に減少してきており、さらに乾燥化等による質の低下も懸念されることから、早急に対策を行う必要が生じてきました。
 


釧路川

 このような状況の中、釧路湿原の重要性の認識が高まり、地域においても1970年代から湿原保全の取組みが始まり、昭和55年の国内初のラムサール条約湿地の指定、62年の国立公園の指定につながっていきました。
 平成15年11月には、「自然再生推進法」に基づいた「釧路湿原自然再生協議会」が発足し、国の関係機関、地元自治体、地域住民、NPO、専門家等の地域の多様な主体の参加により、釧路湿原の自然再生に取り組んでいます。国土交通省では、18年8月に、同協議会等における検討を経て、「茅沼地区旧川復元実施計画」等を策定しており、今後とも関係者と協力しながら、より一層自然再生の取組みを進めていくこととしています。
 


茅沼地区旧川復元実施計画 茅沼地区旧せん復元実施計画では、右岸側への氾濫を回復するための右岸残どの撤去、地下水位の上昇のための直線かどうの埋め戻し、氾濫頻度の回復や魚類の生息環境の回復のための旧せんの復元を実施内容として位置付けている。

 

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