1 生活を支える基礎の変化
(家族像の変化)
生活の基礎となる家族の構造に変化がみられる。
図表44は世帯構造の推移をみたものである。1985年頃までは、夫婦と子による世帯が全体の4割を占めていたが、90年代以降は急速に多様化し、2005年では、夫婦と子による世帯約3割に対し、単独世帯約3割、夫婦のみ世帯約2割となっている。さらに将来推計によれば、2030年には夫婦と子による世帯は2割強にまで減少すると推計されており、これまで“標準的な家族像”と言われてきたものが、標準となりえなくなっている。また図表45は、別世帯となっている子供がいる夫婦のみ世帯について、子供世帯の居住地との距離をみたものである。4割近い世帯は片道1時間以上の場所に住んでおり、また徒歩5分程度のごく近い距離に住む世帯は1割に満たない。こうした状況は、例えば、誰が高齢者を支えるのかといった問題にも関わってくる。