第4節 国土政策の推進
総合的な国土の形成に関する施策の指針として、「多様な広域ブロックが自立的に発展する国土を構築するとともに、美しく、暮らしやすい国土の形成」を新しい国土像として掲げる国土形成計画(全国計画)及びこれを具体化するための各広域ブロックの地域戦略とその具体的な取組みをまとめた広域地方計画並びに「持続可能な国土管理」を基本方針とする第四次国土利用計画(全国計画)に基づき、総合的な国土政策を推進している。
その一環として、平成22年9月に、国土審議会政策部会に長期展望委員会及び国土政策検討委員会を設置し、以下の課題について検討を行った。
1)国土の長期展望について
国土は、国民が生活、生産等の諸活動を展開する共通の基盤であるとともに、現在及び将来における国民のための限られた資源である。そのような国土の将来には、人口減少の進行、急速な少子高齢化、地球温暖化による気候変動という大きな変化が存在している。このため、人口、社会、経済、国土基盤、環境、エネルギー、産業等の国土を巡る様々な分野において、国土にもたらす影響を長期展望する意義は極めて大きい。
そこで、2050年までの「国土の姿」を定量的・可視的に分かりやすく描き出し、その結果を踏まえ、将来の国土に関する課題の整理・検討を行うことを目的とした長期展望委員会において、まずは現状のまま推移した場合、諸分野において、どのような影響が見込まれるかについて調査審議し、平成23年2月に中間とりまとめを行った。
2)成長戦略の具体化に向けた取組みについて
国土交通省成長戦略において位置付けられた新たな国土政策の課題(大都市圏戦略、地域戦略、多様な主体によるコミュニティづくり)について、国土政策検討委員会において調査審議し、平成23年2月に最終報告を取りまとめた。本報告では、我が国の成長エンジンである大都市の国際競争力の強化のための国家戦略としての大都市圏戦略の策定・推進、地域の多様な主体によるその特性を活かした地域の活性化の促進のための官民連携組織による戦略の策定・実施やそれに対する国の関与・支援、地元企業、地縁組織、NPO等の多様な主体によるコミュニティづくりを進めるためのコミュニティファンドの造成や中間支援組織の育成、担い手と地域・行政との協働等に関する提言がなされたところであり、今後は、具体的な施策の実現に向けて取り組んでいく。