第1節 観光をめぐる動向 

2 観光の現状

(1)国民の観光の動向
 平成21年の国内宿泊観光旅行の平均宿泊数は2.38泊、帰省・ビジネスも含めた国内宿泊旅行の消費額は約17.4兆円であり、20年(それぞれ2.37泊、約19.0兆円)に比べ宿泊数は微増、消費額は微減となった。他方、海外旅行者数の減少等により、21年の海外旅行消費額は約4.7兆円と、20年(約5.4兆円)に比べて減少した。
 また、22年の海外旅行者数は、前年比7.7%増(約119万人増)の約1,664万人となった。

(2)外国人の訪日旅行の動向
 平成22年の訪日外国人旅行者数は約861万人(対前年比26.8%増)となり、世界的な金融危機や新型インフルエンザ流行の影響から大きく落ち込んだ21年の679万人から、大阪万博以降最高の伸び率で力強く回復し、過去最高の訪日外国人旅行者数を記録した。
 特に、22年度に最重点市場と位置付けてプロモーション強化に取り組んだ韓国と中国からの旅行者数が大幅に増加(増加分全体の68%)し、全体をけん引した。
 また、21年の訪日外国人旅行消費額は、前年比約14.3%減(約0.2兆円減)の約1.2兆円となった。
 
図表II-2-1-1 訪日外国人旅行者数の動向
図表II-2-1-1 訪日外国人旅行者数の動向
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(3)観光産業の動向
1)旅行業
 平成21年度の主要旅行業者63社の取扱額は、前年度比13.9%減の約5兆5,402億円となった。
 景気の低迷や新型インフルエンザの流行により、海外旅行については、前年度比19.3%減の約1兆9,541億円、国内旅行については、前年度比10.6%減の約3兆5,338億円となった。訪日外国人旅行についても、景気の低迷や新型インフルエンザの流行、円高の進展により、前年度比15.8%減の約522億円となった。

2)ホテル・旅館業
 平成21年度の主要登録ホテル・旅館の客室利用率は、ホテルで67.9%(前年度比4.0ポイント減)、旅館で57.4%(同5.8ポイント減)となった。また、主要登録ホテル・旅館のうち黒字施設の割合は、ホテルで41.3%(前年度比5.4ポイント減)、旅館で51.6%(同1.3ポイント増)となった。


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