第1節 震災からの復興 |
最初は元屋敷は余り甚だしく荒れ果てた為、原地に復興しようとする者もなかったと言うが、三、四年経ると誰かが一戸建ててみた。位置から言えば、漁をするにも、また耕地とて荒める川底や須賀の一部に過ぎないのであるから、便宜の点では小掛の比ではない。それに飲料水がどの程度悪質であったか、分析の内容も知らないが、一度村人に悪いと叫び出されると、矢も盾もたまらずに原位置に戻る傾向を生じた。かくして原位置に復興を遂げた村が、再び昭和8年の災害に遭っている。(山口弥一郎著「津浪と村」より抜粋)
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