第6節 効率的・重点的な施策展開 

3 社会資本の高齢化時代における戦略的な維持管理・更新

 我が国の社会資本は、戦後の高度経済成長とともに着実に整備されてきたが、今後、こうした社会資本の高齢化が急速に進行するという課題に直面することになる。建設後50年以上経過する社会資本の割合を現在(平成22年)と20年後で比較すると、例えば、道路橋(約8%→約53%)、河川管理施設(約23%→約60%)、下水道管きょ(約2%→約19%)、港湾岸壁(約5%→約53%)等と急増する。
 こうした状況の下、今後必要となる維持管理費、更新費についても、急速に増加していくことが想定されており、特に今後も厳しい財政状況が続けば、真に必要な社会資本整備だけではなく、既存施設の維持管理、更新にも支障を来すおそれが指摘されている。同時に、高齢化した施設の割合が増大していくと、重大な事故や致命的な損傷等が発生するリスクが飛躍的に高まることが予想されている。
 このため、施設に応じて損傷等が発生した後に対策を行う「事後的管理」と、早期発見・補修により施設全体の長寿命化を図る「予防保全的管理」を的確に使い分け、計画的に対策を行うことが重要であり、施設の補修対策の内容、点検の時期等を記載した長寿命化計画の策定や、その計画的な実施、社会資本の適性な利用、点検・診断・補修に係る人材育成、担い手の確保・育成、技術開発等を進めている。また、社会資本の大部分は地方公共団体が管理する施設であるため、地方公共団体に係る分野も含めた施設の実態把握を進める。

 

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