第5節 北海道総合開発の推進 

第5節 北海道総合開発の推進

1 地球環境時代を先導する新たな北海道総合開発計画の推進

(1)北海道総合開発計画の推進
 我が国は、北海道の優れた資源・特性を活かしてその時々の国の課題の解決に寄与していくとともに、地域の活力ある発展を図ることを目的として、北海道の積極的な開発を行ってきた。
 現在は第7期となる「地球環境時代を先導する新たな北海道総合開発計画」に基づき、「開かれた競争力ある北海道」、「持続可能で美しい北海道」、「多様で個性ある地域から成る北海道」という3つの戦略的目標の実現に向け、政府の「新成長戦略」に沿って、食、観光、環境・エネルギー等の分野を中心に施策を推進している。
 
北海道の特徴を活かした食や観光の振興

北海道の特徴を活かした食や観光の振興

(2)計画の実現に向けた取組み
1)総合的な食の供給力強化
 北海道では、厳しい気象・土壌・地理的条件等を基盤整備・新技術導入等により克服し、全国の農地面積の25%を占め、カロリーベースで20%超の食料供給を担っている。また、輸出・移出についても先進事例が拡大しており、総合的な食の供給力の強化に向けて、ほ場の大区画化や農地集積等により生産力を高めるとともに、品質管理の高度化や観光との連携等、高付加価値化を支援している。また、農業・河川・道路行政等を調整し、物流の強化や水資源の総合的活用等も推進している。

2)観光立国の推進
 北海道は、美しい景観や食など魅力的な観光資源を有するとともに、空港・道路等の整備による受入基盤が充実してきており、東アジアからの観光客に人気の高い地域となっている。このポテンシャルを活かすため、基盤整備を通じた移動時間短縮・周遊性向上やシーニックバイウェイ北海道の取組み等による受入環境の整備を推進している。また、公共施設のバリアフリー化、標識多言語表記による利便性向上等も図っていくこととしている。
 さらに、「国際会議等の北海道開催の推進について」に基づき、各省庁連絡会議を設置し、国際会議等(MICE)の北海道開催の推進や地域の取組みに対する支援等を行っている。

3)自然と共生する持続可能な地域社会の形成
 北海道の豊かな自然環境を次世代に引き継ぎ、恵まれた自然と共生する社会を形成するため、湿原環境の保全・再生、水生生物の生息環境に配慮した防波堤の整備、河川・湖沼の浄化、浄化槽の整備、地域連携による河川の自然再生等を推進している。また、北海道には、風力、太陽光、雪氷冷熱、バイオマス等の環境負荷の少ないエネルギー源が豊富に存在しており、地球温暖化問題の解決に向けた低炭素社会の実現や、東日本大震災後の我が国のエネルギー環境の変化への対応に向け、これらの資源の積極的な利用を推進している。

4)積雪寒冷地における戦略的目標の達成に向けた社会資本整備の推進
 新たな北海道総合開発計画の3つの戦略的目標の実現に向け、高規格幹線道路をはじめとする基幹的な交通ネットワークの整備や冬季交通の確保、自然災害に備える国土保全施設の整備等の社会資本整備を多様な主体と連携し効果的に推進している。また、北海道は積雪寒冷という過酷な気象条件に起因する凍害劣化等の特有の課題が存在するため、維持管理の強化や技術開発等を推進している。

 

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