第2節 自然災害対策 

コラム 台風第12号により紀伊山地で発生した河道閉塞対応

1.緊急調査の実施
 台風第12号に伴う豪雨により、紀伊半島では平成23年8月30日からの総降水量が多いところで1,800ミリを超えるなど記録的な豪雨となり、この影響で、奈良県・和歌山県において17箇所の河道閉塞が発生しました。
 このうち、規模が大きく決壊により下流域で重大な土砂災害が想定された5箇所の河道閉塞について、改正「土砂災害防止法」に基づき近畿地方整備局が23年9月6日から緊急調査を行いました。主な調査内容は、ヘリコプターで上空から、河道閉塞の高さ等の測定、湛水や下流集落の状況等の現地確認と重大な土砂災害が想定される区域・時期を明らかにするための数値解析等です。

2.土砂災害緊急情報等の通知及び周知
 緊急調査結果を基に、奈良県、和歌山県及び関係市町村へ土砂災害緊急情報、随時情報の通知及び一般への周知を行いました。この情報を基に関係市村において避難指示の発令等が行われています。なお、重大な土砂災害が想定される区域・時期の予測に際し、水位計、監視カメラ、雨量計等を設置して観測を行い、その情報は関係市村等へ提供し、ホームページでも公開しています。
 
河道閉塞の高さの測定状況

河道閉塞の高さの測定状況
 
投下型水位計の設置状況

投下型水位計の設置状況
 
重大な土砂災害が想定される区域

重大な土砂災害が想定される区域

3.緊急工事の着手
 決壊や氾濫のおそれが特に高い河道閉塞箇所等において、仮排水路設置やポンプ排水等の緊急工事を国で実施しているほか、各県により土砂の崩壊等危険な状況に緊急に対処するための砂防設備等の整備を実施しています。

 

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