第2節 自然災害対策 

コラム 大規模崩壊監視警戒システム

 平成23年台風第12号では「深層崩壊」と呼ばれる大規模な土砂崩れが多発しました。今回の災害を教訓に被害を未然に防ぐことができるよう、深層崩壊が発生した場合にその場所や規模の情報を早期に把握・共有するシステムが不可欠であると考えます。
 そこで、関係自治体と連携し、振動センサーや衛星画像解析等の各種技術を駆使して大規模崩壊を監視・警戒するシステムを世界で初めて紀伊山地に導入し、展開することとしました。
1.降雨状況の把握
 深層崩壊は累積雨量と関連性があると考えられ、雨量レーダーを用いて、広域的な降雨状況を把握します。

2.振動センサー(崩壊位置、概略規模推定)
 大規模な土砂移動が発生した場合に、あらかじめ設置した振動センサーで波形を検知し、発生位置を推定します。

3.衛星画像解析(崩壊規模計測)
 衛星合成開口レーダーで大規模崩壊の発生が推定される地域を撮影し、その画像解析を行うことで、夜間や悪天候に関係なく大規模崩壊の発生状況を把握します。

 以上より、大規模崩壊発生の場所や規模を従来と比べ早期に検知及び把握できるようになり、その情報を関係自治体や住民にいち早く提供することで早期避難に役立てていきます。
 
大規模崩壊監視警戒システム

 

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