第1節 働き方の変化

(2)働く意識の変化

 厳しい雇用状況の中で、若者の働く意識はどのように変化しているのだろうか。新入社員に対し、転職に関する考え方を尋ねたアンケートによると、「今の会社に一生勤める」と答えた者の割合は、「きっかけ、チャンスが有れば転職してもよい」と答えた者の割合を上回っており、その差は近年拡大傾向にある(図表54)。
 
図表54 転職に対する考え方
図表54 転職に対する考え方
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 また、理想的な仕事について尋ねた調査では、「収入が安定している仕事」を選択する者の割合が他の年齢層と比べて高くなっている一方で、「自分にとって楽しい仕事」を選ぶ者の割合も高くなっており、経済面での安定性を望む一方で、どのような内容の仕事でも良いというわけではなく、「楽しさ」を求めているように、自分の価値観に合った仕事を選択しようとしていることがうかがえる(図表55)。
 
図表55 理想的な仕事
図表55 理想的な仕事
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 また、新入社員の海外勤務の希望を見ると、海外で「働きたいとは思わない」と回答する者の割合が2001年の29.2%から2010年の49%に上昇する一方で、「どんな国・地域でも働きたい」と回答する者の割合もこの10年で最大となっている。両者の中間的な志向である「国・地域によっては働きたい」と考える者の割合は減少していることから、積極的に海外で働きたいかそうでないかの意思が両極に強く出るようになったと見ることができ、この点においても、自分の価値観を明確に持っており、それに基づいた行動を取ろうとする様子が見てとれる(図表56)。
 
図表56 新入社員の海外勤務の希望
図表56 新入社員の海外勤務の希望
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