第1節 働き方に関する取組み

(2)女性の就労支援

 国土交通に関連する産業における女性の就業状況を見てみると、宿泊業においては就業者のうち56.4%が女性となっており、全産業の平均である42.3%よりも高い水準となっている。一方で、建設業、運輸業においては、バス事業における運転手のように女性の就業が進んできた分野もあるものの、女性の就業者比率はそれぞれ13.9%、17.2%と、他の産業に比べ低い水準となっている(図表209、210)。
 
図表209 女性の産業別就業者数及び比率(2012年平均)
図表209 女性の産業別就業者数及び比率(2012年平均)
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図表210 女性バス運転者数と女性比率の推移
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 少子高齢化が進行し、労働力人口が減少していく中、我が国経済が持続的な成長を遂げるためには女性の労働力を活用することが重要であり、国土交通分野の産業においても女性の活躍を促進することが不可欠である。

1)育児施設の駅施設等への併設
 保育サービスの充実は、女性が育児と仕事を両立させるための重要な要素であり、特に、駅施設に併設される子育て支援施設は、通勤時に子供を預けることや、駅周辺に集積する医療・福祉サービスや行政サービス等の他の様々なサービスを併せて利用することを可能にすることから、働きながら育児をする女性の暮らしを支える役割を担っている。このため、鉄道駅総合改善事業等により、既存の鉄道駅に保育施設等の生活支援機能を併設し、域内外の子育て世帯の利便性の向上を図っている(図表211)。
 
図表211 鉄道駅等に併設する保育施設のイメージ
図表211 鉄道駅等に併設する保育施設のイメージ

2)女性の就労環境の改善
 国土交通に関連する産業においても、女性の社会進出を促進するための様々な取組みが見られる。建設業においては、従来、「男性の仕事」というイメージが強く持たれてきたところがあり、女性の就業者比率も他の産業と比較して低かったが、現在、各事業者において女性の入職や継続的な就業を促すための取組みが進められている。例えば住宅のリフォームにおいては、住まいづくりに関する多様な感性が求められる中で、女性の観点を活かすことでより良い提案ができるとの考えから、従来は男性が大半であった営業職に女性を積極的に採用するなど、女性の職域を拡大する動きが見られる。また、採用後についても、育児休業制度や短時間勤務制度の充実に加え、各種研修等の実施や女性管理職の積極登用等により、女性の活躍を推進するための様々な取組みが進められている。


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