第3節 住まい方に関する取組み

コラム 若者の定住促進に向けた取組み

1)島根県海士町
 日本海の島根半島沖合から約60km離れた隠岐諸島の中ノ島にある海士町(人口2,323人(2012年12月末時点))は、人口減少やそれに伴う過疎化・少子高齢化の進行が著しいなか、2004年度からIターン注1者による定住促進を積極的に行っています。ホームページや観光協会に定住担当課を配置し、問い合わせや下見への対応をするなど、定住希望者の家族構成や状況に応じた住まいを提供しています。その中の取組みの一つとして社会資本整備総合交付金等を活用しながら、島の暮らしを体験してもらうための住宅や空き家の改修などを含めた定住促進のための住宅整備を行っているところです。2004年度から2012年度までに定住促進のために整備した住宅は97戸、Iターン者数は361人、その定着率注2は56%という成果が出ています。Iターン者数においては、20代が102人と最も多く、次に30代が89人と続いており、20〜30代の若者が全体の半分以上を占めています。また2003年度からの年齢別人口の推移では、Iターン時に20代であった若者の定着率の影響もあり、30代の人口が徐々に増加しており、20代においても、島外への大学進学や就職のため減少傾向でしたが、ほぼ横ばいを維持していることから、若者等の状況に応じた住宅整備による一定の定住効果は表れています。
 
定住促進住宅(3LDK)
定住促進住宅(3LDK)

 
年代別Iターン者数及び定着率
年代別Iターン者数及び定着率
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2)宮崎県西米良村
 宮崎県西米良村(人口1,260人(2013年3月時点))は過疎地域における若者の定住化促進対策として、18歳以上40歳未満の単身者を入居対象とした若者定住住宅を整備しました。若者定住住宅は1996年、99年に整備され、合計16戸あります。2013年1月末までの総入居者数は80名で、同住宅に入居したことがきっかけで知り合い、村内在住者と結婚した者は2012年12月末現在で21人(17組)となっており、若者の住まいと出会いを提供する場として、若者の定住促進に大きな成果を上げています。
 
宮崎県西米良村:A棟・B棟


注1 出身地とは別の地方(特に都市部から田舎)に移り住み定住すること
注2 年齢別の割合はIターン時の年齢で現在も暮らしている人の割合


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