第3節 建築物の安全性確保

第3節 建築物の安全性確保

(1)住宅・建築物の生産・供給システムにおける信頼確保

 建築士等による法令遵守の徹底と適正な建築活動の確保を図り、国民が安心して住宅の取得や建築物の利用ができるようにするため、改正「建築基準法」に基づく高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物等に対する構造計算適合性判定の義務付け等により、建築確認・検査の厳格化が図られた。
 改正「建築基準法」施行後、建築確認手続の停滞が生じ、建築確認件数が大幅に減少するなどの影響があったことなどを踏まえ、建築確認審査の迅速化・申請図書の簡素化等を図るため、二度にわたって建築確認手続等の運用改善を実施した。
 また、今後の建築基準制度のあり方について、平成24年8月に社会資本整備審議会に諮問し、24年9月に同審議会建築分科会に設置された建築基準制度部会において検討を進めている。このうち、住宅・建築物の耐震化促進方策のあり方については、25年2月に第一次答申を取りまとめ、これに基づき、「耐震改修促進法の一部を改正する法律案」が第183回通常国会に提出されたところである。
 建築士に係る施策としては、改正「建築士法」に基づき、建築士に受講が義務付けられた定期講習について、講習内容や受講促進に向けた取組みを行っている。
 さらに、新築住宅に瑕疵が発生した場合においても確実に瑕疵担保責任が履行され、消費者が安心して住宅を購入できるよう、建設業者及び宅地建物取引業者に対し、資力の確保(住宅瑕疵担保保証金の供託又は住宅瑕疵担保責任保険契約の締結)を義務付ける「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)」に基づき、住宅瑕疵担保責任保険法人における保険引受体制の整備に引き続き取り組む一方、消費者に対する普及啓発等、制度の浸透に向けた取組みを行っている。

(2)昇降機や遊戯施設の安全性の確保

 平成24年10月の石川県金沢市のエレベーター死亡事故を受け、社会資本整備審議会昇降機等事故調査部会において、事故原因究明のための調査を行い、25年2月には「石川県内エレベーター戸開走行事故調査中間報告書」を取りまとめるなど、昇降機や遊戯施設の事故に係る原因究明と再発防止対策の検討を行っている。さらに、地方公共団体及び地方整備局職員を対象に昇降機や遊戯施設の事故調査を行うための研修を実施し、職員の育成に取り組んでいる。


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