第6節 大気汚染・騒音の防止等による生活環境の改善

1 道路交通環境問題への対応

(1)自動車単体対策

1)排出ガス規制の強化
 新車の排出ガス対策については、トラック、バス及び乗用車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の更なる低減を図るため、世界最高水準の厳しい規制(ポスト新長期規制)を平成20年に制定し、21年10月から順次強制適用している。また、22年には特殊自動車と二輪自動車について、国際統一基準に基づく試験方法を導入した。
 一方、使用過程車(既に使用されている自動車)の排出ガス対策は、「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)」に基づく対策を実施するなど、一層の排出ガス対策に努めていくこととしている。

2)次世代大型車等の開発・実用化
 次世代大型車の開発・実用化を促進するため、高効率ハイブリッドトラック、次世代バイオディーゼルエンジン、電気・プラグインハイブリッドトラック及び高性能電動バスについて、産学官の連携により、車両の開発、実証走行試験等を実施し、安全上・環境保全上の技術基準の策定等、普及に向けた環境整備を進めている。

(2)交通流の円滑化等

1)大気質対策
 自動車からの粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)の排出量は、発進・停止回数の増加や走行速度の低下に伴い増加するため、沿道環境の改善の観点から、幹線道路ネットワークの整備、ボトルネック対策、交通需要マネジメント(TDM)施策等の交通流円滑化対策を推進している。

 
図表II-8-6-1 自動車からの浮遊粒子状物質(SPM)、窒素酸化物(NOx)の排出量と走行速度の関係
図表II-8-6-1 自動車からの浮遊粒子状物質(SPM)、窒素酸化物(NOx)の排出量と走行速度の関係
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2)騒音対策
 低騒音舗装の敷設、遮音壁の設置、環境施設帯の整備等を進めている。また、「幹線道路の沿道の整備に関する法律」に基づき、道路交通騒音により生ずる障害の防止等に加えて、沿道地区計画の区域内において、緩衝建築物の建築費又は住宅の防音工事費への助成を行っている。


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