第1節 インフラ・システム輸出の促進

1 トップセールスの展開

 我が国事業者による各種プロジェクトの受注を目指して、相手国政府とのハイレベル協議やセミナーの開催、相手国要人・政府行政官の招へい等による働きかけなどのトップセールスを積極的に実施している。平成24年度における主な取組みは以下のとおりである。

(1)タイ

 平成24年10月に国土交通大臣が訪問し、首相との会談において、高速鉄道整備における日本の強みをアピールするとともに、日タイ間の防災協働対話の実現について意見交換を行った。さらに、タイ運輸大臣との間で鉄道分野の協力に関する覚書を締結し、鉄道分野のノウハウ共有やセミナーの共催等を行うこととした。

(2)ベトナム

 平成24年10月に国土交通大臣が訪問し、ビンズン省人民委員長との会談において、日本企業が取り組んでいる新都市開発における街づくりや、ベトナムにおけるエコシティ開発に関する協力について意見交換を行った。

(3)インドネシア

 平成24年10月に開催された首都圏投資促進特別地域(MPA)注1第3回運営委員会において、国土交通副大臣と経済担当調整大臣等との間で、鉄道・港湾・空港・下水道等の各MPAプロジェクトを円滑かつ早期に実現するための協力を進めていくことが合意された。同年9月には、日・インドネシア建設会議への出席のためインドネシア公共事業副大臣が来日し、国土交通副大臣との会談において、建設分野における協力関係を一層強化することなどを確認した。

(4)ミャンマー

 平成24年11月に運輸大臣が訪日し、国土交通大臣との会談において、交通分野における連携緊密化について覚書を締結した。25年2月には、建設大臣を日本に招へいし、国土交通大臣との会談において、道路分野における連携強化について覚書を締結した。

(5)インド

 平成24年5月に、国土交通副大臣が訪印し、インド道路交通閣外大臣らとの会談において、道路分野における協力関係を推進することで一致した。25年2月に国土交通副大臣が訪印し、高速鉄道セミナーを開催した。

(6)ブラジル

 平成24年5月に、国土交通大臣とブラジル開発商工大臣が海洋開発・海事分野の協力覚書を締結し、同分野における両国間の協力関係の強化を図った。

(7)カタール

 平成25年2月に、日・カタールインフラセミナーへの出席のためカタール行政監督庁長官が来日し、国土交通大臣との会談において、2022年FIFAワールドカップ開催に向けたカタールにおけるインフラ整備をはじめとする両国協力関係の一層の発展等を確認した。

(8)米国

 平成24年7月に、国土交通副大臣が訪米し、米国運輸副長官をはじめとする要人との会談において、高速鉄道整備計画に対する日本の協力を表明するとともに、航空の安全分野における日米の協力強化等を確認した。また、25年2月の日米首脳会談では、内閣総理大臣が超電導リニア技術の導入について提案を行った。

 
図表II-9-1-1 各国における主な海外プロジェクト
図表II-9-1-1 各国における主な海外プロジェクト


注1 我が国とインドネシアとの連携の下、ジャカルタ首都圏のインフラ開発等を加速化するため、「首都圏投資促進特別地域(MPA)構想に関する協力覚書」(平成22年10月に外務省、経済産業省、国土交通省が署名)に基づき、インドネシア関係閣僚との間で、同国のインフラ案件及び投資制度を協議する枠組み。


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