第3節 建設マネジメント(管理)技術の向上

1 公共工事における積算技術の充実

 公共工事の透明性を確保することを目的に、各種積算基準類の公表を行っている。また、平成24年度からは積算の効率化を進めるため「施工パッケージ型積算方式」の試行を実施している。さらに、近年の不調不落に対応すべく大都市地域で行う道路維持工事等の間接費補正や応札者の見積りを予定価格に反映することができる積算方式の試行を実施している。また、22年度から工事請負契約における受発注者間の双務性の向上の観点から、請負代金額の変更があった場合の金額の算定や部分払金額の算定を行うための単価等を前もって協議して合意しておくことにより、設計変更や部分払に伴う協議の円滑化を図ることを目的として実施する「総価契約単価合意方式」を導入している。
 公共土木工事の発注における公平性、透明性を確保するため、適正な予定価格を算出することを目的とした土木工事費積算要領及び積算基準を踏まえ、積算基準を構成する土木工事標準歩掛及び建設機械等損料注1に基づき、工種ごとの標準的な労務、材料、機械等の所要量並びに機械経費算出のための諸数値を設定している。土木工事標準歩掛は、社会環境及び施工形態の変動、新工法・新工種の出現等により変化するため、実態調査を継続的に行い、変化が確認された工種については、迅速に見直しを行っている。また、建設機械等損料については、施工者の保有する建設機械等について実態調査を行い、建設機械の基礎価格、維持管理費用、稼働状況等を把握し、定期的に改訂している。


注1 建設機械等の使用に必要な経費のうち、建設機械等の償却費、維持修理費、管理費等のライフサイクルコストを1時間当たり又は1日当たりの金額で示したもの。


テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む