第1節 賢く使う

第2章 これからの社会インフラのあり方

第1節 賢く使う

 社会インフラは、我が国の経済社会や人々の暮らしを支える上で欠くことのできない重要な要素であるが、一般に、時間の経過とともにその機能は低下していく。このため、その機能がいたずらに低下していくことのないよう適切に維持管理することが求められる。
 社会インフラの機能が低下する大きな要因の一つは老朽化であり、老朽化対策は重要な課題の一つであるが、社会インフラを取り巻く経済社会環境の変化も機能低下に影響を与える要因となる。例えば、特定の社会インフラに対する需要が過度に大きくなってしまうと、混雑の発生等により本来の機能が発揮できなくなるケースもある。逆に人口減少により社会インフラの利用が低下すれば、整備当初想定されていた機能を発揮する機会がなくなる。
 このように、社会インフラが備えている機能と社会が求める機能との間にミスマッチが生じた場合、「賢く使う」ことによって解消することが必要である。また、厳しい財政制約等のもとでは工夫を凝らすことにより社会インフラの機能を従前よりも高めていくことが求められる。
 本節では、社会インフラを「賢く使う」ための取組みを、市場メカニズムの活用、使い方の工夫、集積による効率的な活用という3つの視点から考察する。


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