(2)水質の調査と水質事故対応
良好な水環境を保全・回復する上で、河川・湖沼・ダム・貯水池の水質調査は重要であり、平成24年は109水系の1,077地点を調査した。
また、市民と協働で、水質調査マップの作成や水生生物調査を実施している。さらに、河川を多様な視点で総合的に評価する新しい水質指標に基づき、一級河川で住民協働調査を実施した結果、24年は約25%(76地点/305地点)が「泳ぎたいと思うきれいな川」と判定された。
一方、油類や化学物質の流出等による河川の水質事故は、24年に一級水系で1,244件発生した。水質汚濁防止に関しては、河川管理者と関係行政機関により構成される水質汚濁防止連絡協議会を全国109水系のすべてに設立し、水質事故発生時の速やかな情報連絡、オイルフェンスの設置等被害の拡大防止に努めている。
- 全国で見ると、平成24年にBOD(生物化学的酸素要求量)値(又はCOD(化学的酸素要求量)値)が環境基準を満足した調査地点の割合は90%であった。
- 河川の調査地点のうち、BOD値がサケやアユが生息できる良好な水質とされる3.0mg/L以下となった地点は約94%であった。
- 人の健康の保護に関する環境基準項目(ヒ素等27項目)については、環境基準を満足した調査地点の割合は約99%で、ほとんどの地点で満足している。
図表II-8-4-3 BOD値(又はCOD値)が環境基準を満足した調査地点の割合
(3)閉鎖性海域の水環境の改善
東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海等の閉鎖性海域では、陸域から流入する有機汚濁物質及び窒素・リンが多いことや、干潟・藻場の消失により海域の浄化能力が低下したことなどにより赤潮や青潮が発生し、漁業被害等が生じている。このほか、漂流ごみによる環境悪化、船舶航行の障害等問題が生じている。
この状況を改善するため、1)汚泥浚渫、覆砂、深堀跡の埋め戻しによる底質改善、2)干潟・藻場の再生や生物共生型港湾構造物の普及による生物生息場の創出、3)海洋環境整備船による漂流ごみ・油の回収、4)下水道整備等による海域への流入汚濁負荷の削減、5)多様な主体が連携・協働して環境改善に取組む体制の整備等、美しい海域を取り戻す取組みを推進している。
(4)水環境改善に向けた下水道整備の促進
流域別下水道整備総合計画の策定・見直しを適切に進め、閉鎖性水域における富栄養化の原因である窒素・リン等を除去する下水道の高度処理を推進する。また、施設更新の時期に達しない処理施設においては、部分的な施設・設備の改造等により早期の水質改善を目指す段階的な高度処理を併せて促進している。
合流式下水道については、平成35年度末までに雨天時に雨水吐から放流される未処理下水の量と頻度の抑制等により、対策の完了を図ることとしている。