第5節 海洋政策(海洋立国)の推進
■1 海洋基本計画の着実な推進
四方を海に囲まれている我が国は、広大な海をフロンティアとして認識し、真の「海洋立国」を実現していく必要があることから、海洋に関する行政分野の多くを所管する国土交通省では「海洋基本法」に基づく「海洋基本計画」の下、関係機関と連携しつつ、海洋政策を推進している。
具体的には、海洋再生可能エネルギーの利活用や海洋資源等の開発・利用、海洋開発人材の育成、エネルギー等の効率的な海上輸送、海洋産業の振興、海洋権益の保全に資する海洋調査等に取り組んでいる。さらに、平成27年6月には総合海洋政策本部において、「海洋基本計画」を踏まえた「海洋管理のための離島の保全・管理のあり方に関する基本方針」が改正され、本方針も踏まえ、戦略的海上保安体制の構築、排他的経済水域の根拠となる低潮線注の保全及び南鳥島・沖ノ鳥島の活動拠点整備などの環境整備を推進している。この他、同年10月には「我が国の北極政策」が総合海洋政策本部決定され、これを踏まえ北極海航路の利活用のための環境整備等も進めているところである。
また、27年の「海の日」には、20回目の節目を迎えたことを記念するとともに国民の海洋に関する理解と関心の増進を図るため特別行事を開催した。特別行事における総合開会式での安倍内閣総理大臣のスピーチでは、海洋開発技術者数を42年までに1万人とする目標を掲げるとともに、世界で初となる海上保安政策の修士課程を新たに開設することを表明された。加えて、国際海事機関(IMO)等との共催により日本初となる「IMO世界海の日パラレルイベント2015」を開催し、「海事の教育及び訓練」をテーマに国際シンポジウムを行い「横浜宣言」を取りまとめた。