第2節 観光立国の実現に向けた取組み

コラム 地名等の英語表記ルールと外国人向け地図記号を決定

●はじめに
 国土地理院では、訪日外国人旅行者の円滑な移動などの環境整備を図り、観光立国実現や2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の円滑な開催などに資するため、外国人にわかりやすい地図を作成するための標準として、「地名等の英語表記ルール」及び「外国人向け地図記号」の検討を進めてきました。
 今回の取組みについて、国、地方公共団体等が実施する公共測量における標準的な作業方法等を定めた公共測量作業規程の準則に位置づけるためにパブリックコメントを実施しました。
 その結果を踏まえて、3月末に「地名等の英語表記ルール」と「外国人向け地図記号」15種類を決定し、以下のウェブサイトで公開しました。
 http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa60019.html

●地図に記載する地名等の英語表記ルール
 「地図に記載する地名等の英語表記ルール」とは、山や川などの日本語の地名を英語表記に変換する方法を示したものです。英語表記の方法は大きく分けて2通りがあります。以下にそれぞれの特徴を示します。
1.置換方式
 筑波山をMt. Tsukubaとするように、山(さん、san)の部分を英語の「Mt.」に置き換える方式です。利根川はTone Riverとなります。
 この方式は表記に冗長性が少なく、地図上で簡潔に表示できます。
2.追加方式
 月山をMt. Gassanとするように、全体のローマ字表記に山を表す「Mt.」を追加する方式です。月山に置換方式を適用しMt. Gatsuとしても日本人に通じにくいものになります。また、荒川もAra Riverより、Arakawa Riverの方が日本人に通じやすくなります。このように、追加方式は、置換方式が適用しにくい場合や日本人が置換方式の英語から元の日本語の地名を認識することが困難な場合に適用します。
 今回決定した英語表記ルールでは両方式の使い分けを整理してあります。

●外国人にわかりやすい地図記号
 「外国人向け地図記号」として、ホテルやレストランなど、外国人がよく訪れる15施設を決定しました。
 
外国人にわかりやすい地図記号
外国人にわかりやすい地図記号

●おわりに
 決定した地名等の英語表記ルールと外国人向け地図記号については、今後、国土地理院が外国語版の地図を作成する際の基本として適用するとともに、地方公共団体や民間地図会社等にも広く周知して、活用を促進します。


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