第2節 自然災害対策

コラム ダム再生事業における技術開発〜ものづくり日本大賞受賞〜

 大雨の発生頻度の増加や今後の気候変動に対応するため、ダム事業でも既存施設を賢く使う取組みとして、既存ストックのより一層の有効活用を図っていく必要があります。そのため、1)既設ダムの嵩上げによる容量の拡大、2)容量の再編による洪水調節能力の向上、3)トンネル洪水吐の新設による放流能力の向上、4)土砂バイパストンネル等による恒久堆砂対策等の「ダム再生」の取組みについて重点的に進めているところです。
 
<ダム再生事業の事例>
<ダム再生事業の事例>

 現在、日本国内においては、1)既設ダムを約12m嵩上げする新桂沢ダムや2)長安口ダムで治水容量の拡大とともに堤体を切り欠き洪水吐を増設する改造事業、3)鹿野川ダムで治水容量の拡大とともにトンネル洪水吐を新設する事業、4)美和ダムで土砂バイパストンネルを新設する事業等、20事業程度を実施しています。
 特に鶴田ダム再開発事業では、貯水池を運用しながら工事を行うための技術として、鋼製の仮設備を浮体化し、水上で組み立て堤体に一括据付けする「浮体式仮締切工法」を開発しました。大深度潜水作業がなくなることや仮締切設備の転用が可能になり、コスト縮減、工期短縮、安全確保等が実現でき、海外展開も可能となる点が評価され、技術者らが「ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞」を受賞しました。


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