第4節 健全な水循環の維持又は回復

第4節 健全な水循環の維持又は回復

■1 水の恵みを将来にわたって享受できる社会を目指して

 これまで、戦後高度成長期の急激な水需要に対して水需給バランスの確保を優先して水資源開発施設の整備を進めてきた。一方で、今後、地球温暖化の影響により、年降水量の減少、積雪量の減少、融雪の早期化等が発生し、供給できる水の量が低下することが懸念されている。また、大規模災害等への備え、水インフラの老朽化対策、水環境の改善、健全な水循環の維持又は回復などの社会からの要請、さらには国際貢献のプレゼンスや国際市場における競争力の強化等、顕在化している様々な課題への対応が迫られている。
 これらの背景を踏まえ、人・モノ・財源といった資源の制約条件の下、長期的な視点に立ち、水量に加え、水質、自然環境等の様々な側面から総合的な水資源施策を推進するため、需要主導型の「水資源開発の促進」からリスク管理型の「水の安定供給」へと進化させることが重要であり、国民生活や社会経済活動の安全・安心を確保し、必要な水利用ができる社会を構築するために、さらに具体の検討を進める。


テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む