第6節 大気汚染・騒音の防止等による生活環境の改善
■1 道路交通環境問題への対応
(1)自動車単体対策
1)排出ガス低減対策
新車の排出ガス対策については、トラック、バス及び二輪車からの排出ガスの更なる低減を図るため、平成27年7月に法令を改正した。これにより、トラック・バスについては、新たに国際調和排出ガス試験法(WHDC)の導入と窒素酸化物規制値の強化、試験モード外における排出ガス規制の導入及び高度な車載式故障診断装置の装備義務付け等を行った。また、二輪車については、排出ガス規制値の強化、燃料蒸発ガス対策の導入及び車載式故障診断装置の装備義務付けを行った。これらについては、28年10月以降順次適用する。また、乗用車等について国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)を導入するため、関係法令について改正の準備を進めており、30年から順次適用する。
27年9月に発覚したフォルクスワーゲン社の排出ガス不正問題に関し、同年11月に関係法令を改正し、乗用車等の排出ガス低減装置を試験時のみ働かせ、実際の走行では働かないようにする不正ソフトの使用を禁止した。また、有識者による検討会を環境省と合同で開催し、乗用車等の排出ガス試験方法の見直し等の検討を進めている。
なお、消費者が排出ガス低減性能に優れた自動車を容易に識別・選択できるよう、排出ガス規制値よりも有害物質を低減させる自動車については、その低減レベルに応じ、低排出ガス車認定制度を実施している。
使用過程車(既に使用されている自動車)の排出ガス対策については、「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)」に基づく対策等を実施していく。
2)騒音規制の強化
自動車騒音対策については、加速走行騒音・定常走行騒音・近接排気騒音の規制を行っている。特に定常走行騒音に対する寄与度が高い四輪車用タイヤ騒音の低減対策として、タイヤ単体による騒音規制を導入するため、平成27年10月に法令を改正しており、30年4月から順次適用する。
また、四輪車の騒音規制について、2段階で規制強化する国際基準に調和させるため、28年4月に法令を改正しており、同年10月から順次適用する。
(2)交通流対策等の推進
1)大気汚染対策
自動車からの粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)の排出量は、発進・停止回数の増加や走行速度の低下に伴い増加することから、沿道環境の改善を図るため、バイパス整備による市街地の通過交通の転換等を推進している。