第3節 イノベーションの歴史

コラム 子育てシェアハウス

 代官山に子育て支援をコンセプトにしたシェアハウスがあります。「頼り 頼られ 助け合う 子育てのカタチ」をコンセプトとし、シングルペアレント(ひとり親)と子育てを応援したい方をメインターゲットに、子どもがいる人もいない人も入居者同士が支え合いながら「みんなで子育て」ができる環境づくりを目指します。
 
図表1-3-19 スタイリオ ウィズ代官山
図表1-3-19 スタイリオ ウィズ代官山

 オーナーは東急電鉄で、渋谷区が所有する土地・建物を借り受け、シェアハウスとしてリノベーションした施設です。
 共用部には、子どもの創造性を刺激する「落書きボード」のあるリビング、親子団らんを促す各階のユニットバスやミニキッチンなどを設置し、屋上にはウッドデッキや家庭菜園に加え、子どもたちが素足で遊べるエリアを設けるなど、働きながら子育てする親子にやさしく「みんなで子育て」ができるシェアハウスとして、様々な設備・サービスを導入しています。また、子育て中の心配事を入居者同士や地域住民で気軽に助け合う、(株)AsMamaの「子育てシェア」や東急セキュリティ(株)のICカードを利用した子ども見守りサービス「キッズセキュリティ」を導入し、シングルペアレントの方が仕事と子育てを安心して行える環境整備を行っています。
 
図表1-3-20 屋上の家庭菜園
図表1-3-20 屋上の家庭菜園

 このシェアハウスには、親子が7世帯、単身者が14世帯の計21世帯が住んでおり、入居者が参加するイベントは年4回開催されています。子育てが孤独にならず、帰宅して話し相手、遊び相手がいるのはとても心強いと入居者は話しています。また、ここに住む子どもたちは日々の暮らしの中で遊びを通じ社会性を育み、コミュニケーション力を磨いています。
 世の中では様々なタイプのシェアハウスが人気を集めていますが、子育て中の人、子育てを応援したい若い世代がつながるきっかけとなるこのシェアハウスは、核家族化が進み、人とのつながりが希薄となっている各世代にとって、非常に重要なものとなります。他人でありながら大家族のような環境で育ち、自然に触れ、「子育てシェア」をすることで、関わっているすべての人々の心を豊かにします。


注 2017年4月1日調査時点


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