第4節 交通政策の推進

■3 総合的な物流政策の推進

 グローバル・サプライチェーンの深化や地球温暖化対策及び安全・安心の確保の必要性の高まりなど、我が国の物流を取り巻く社会経済情勢に迅速かつ的確に対応するため、平成25年6月に「総合物流施策大綱(2013-2017)」を閣議決定した。同大綱に基づき、関係省庁が連携して、総合的・一体的に物流政策の推進を図っているところであり、「社会資本整備重点計画」、「交通政策基本計画」等の計画・方針と一体となって取組みを進めている。
 我が国の物流サービスは、トラック輸送を主体として、定時性、安全性、荷主のオーダーに徹底的に応じるサービス等、質の高い水準となっており、製造業のジャスト・イン・タイムを支え、流通業の発展、宅配サービス等による国民生活の利便性の向上に貢献してきた。一方で、近年、人口減少・少子高齢化の進行、情報通信技術(ICT)等の革新、災害リスクの高まり、貨物の小口化・多頻度化の一層の進行と顧客ニーズの多様化等、物流を巡る社会経済情勢は大きく変化している。さらに、物流分野においては、特に労働力不足が顕在化し課題となっており、トラックドライバーの高齢化が進行しているほか、中長期的には人材の確保が更に困難になる可能性があり、早急に対策を講じる必要がある。
 このような状況を踏まえ、27年12月の交通政策審議会及び社会資本整備審議会「今後の物流政策の基本的な方向性等について」を受けて、同答申にて提言された「物流生産性革命」が28年4月に国土交通省生産性革命本部において生産性革命プロジェクトの1つに採択されるとともに、関係者が連携した物流の総合化及び効率化に関する幅広い取組みを支援することを旨とした改正物流総合効率化法が同年5月に成立し、共同輸配送、モーダルシフト、トラック予約受付システム等を導入した倉庫への輸送網の集約等を内容とする総合効率化計画の認定を進めている。
 「物流生産性革命」プロジェクトは、物流事業の労働生産性を2020年度までに2割程度向上させることを目標とし、改正物流総合効率化法等の枠組を活用したモーダルシフト・共同輸配送の促進、宅配便の再配達削減、物流システムの国際標準化の推進等の物流事業の効率化及び高付加価値化に資する取組みを推進している。


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