第6節 大気汚染・騒音の防止等による生活環境の改善

第6節 大気汚染・騒音の防止等による生活環境の改善

■1 道路交通環境問題への対応

(1)自動車単体対策
1)排出ガス低減対策
 新車の排出ガス対策に関しては、トラック・バスについて国際調和排出ガス試験法(WHDC)の導入、窒素酸化物規制値の強化、試験モード外における排出ガス規制の導入及び高度な車載式故障診断装置の装備義務付け等を実施するとともに二輪車について排出ガス規制値の強化、燃料蒸発ガス対策の導入及び車載式故障診断装置の装備義務付けを実施し、28年10月より適用を開始した。また、28年10月に乗用車等に対する国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)の導入に係る改正を行い、30年10月以降から順次適用することとしている。
 27年9月に発覚したフォルクスワーゲン社の排出ガス不正問題に関しては、ディーゼル乗用車等の検査方法等の見直しのため環境省と合同で開催した有識者検討会において、28年4月に中間とりまとめが行われ、不正ソフトの有無の確認及び実走行時の排出ガス低減のため路上走行検査を導入すること、エンジン等の保護制御について真に必要な作動範囲(低温時の制御の温度範囲等)に係るガイドラインを策定することが提言された。本検討会においては、これらについて、欧州における規制動向等を踏まえつつ検討を進め、29年春に最終とりまとめを行うこととしている。
 一方、排気管から排出される有害物質を規制値よりも大きく低減させる自動車については、消費者が排出ガス低減性能に優れた自動車を容易に識別・選択できるよう、その低減レベルに応じ、低排出ガス車として認定する制度を実施している。
 東京、名古屋、大阪等の大都市での排出ガス対策については、「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)」に基づく対策等を実施していく。

2)騒音規制の強化
 自動車騒音対策に関しては、四輪車の騒音規制について、実際の市街地走行における加速騒音レベルを評価する国際基準を導入し、28年10月から順次適用を開始している。

(2)交通流対策等の推進
1)大気汚染対策
 自動車からの粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)の排出量は、発進・停止回数の増加や走行速度の低下に伴い増加することから、沿道環境の改善を図るため、バイパス整備による市街地の通過交通の転換等を推進している。
 
図表II-8-6-1 自動車からの浮遊粒子状物質(SPM)、窒素酸化物(NOx)の排出量と走行速度の関係
図表II-8-6-1 自動車からの浮遊粒子状物質(SPM)、窒素酸化物(NOx)の排出量と走行速度の関係
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2)騒音対策
 交通流対策とともに、低騒音舗装の敷設、遮音壁の設置、環境施設帯の整備等を進めている。また、「幹線道路の沿道の整備に関する法律」に基づき、道路交通騒音により生ずる障害の防止等に加えて、沿道地区計画の区域内において、緩衝建築物の建築費又は住宅の防音工事費への助成を行っている。


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