第4節 健全な水循環の維持又は回復

コラム 下水道での紙オムツ受入に向けて

 人口減少や少子高齢化の進行などが社会問題となっている昨今、高齢者の介護において使用済み紙オムツの保管・処理・処分が大きな負担となっている一方で、少子化の改善に資する子育てしやすい環境づくりも求められている。下水道分野においても、人(執行体制脆弱化)・モノ(施設老朽化)・カネ(使用量収入減少)という経営資源を取り巻く環境が厳しさを増しており、より効果的・効率的な下水道事業を展開していくため、社会インフラとしての新たな使命や住民の利便性向上といった下水道の付加価値向上も必要となっている。これらの課題解決策のひとつとして、使用済み紙オムツの下水道受入を検討することで、介護・育児の負担軽減や健康的な生活確保への貢献を目指している。
 
下水道での紙オムツ受入に向けて

 下水道への受入方法は、地域特性や下水道施設の状況を踏まえ、
 1)紙オムツから排泄物を分離させて下水道へ流し、吸水剤を含む紙オムツ固形物はゴミとして回収する「Aタイプ」
 2)紙オムツを一旦破砕して、建物外の分離・回収装置に集めた後、排泄物を分離して下水道に流し、紙オムツ固形分はごみとして回収する「Bタイプ」
 3)紙オムツを破砕し、排泄物、紙オムツともに下水道に流す「Cタイプ」
の3種類が考えられ、平成30年度は、Aタイプの下水道への受入について検討を進め、実証実験実施における基本的な考え方をガイドライン(案)としてとりまとめた。平成31年度はガイドラインに基づきAタイプの実証実験を実施することを予定している。
 
紙オムツ処理装置を使うと


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