第1節 ICTの利活用による国土交通分野のイノベーションの推進

■6 ICTの利活用による高度な水管理・水防災

 近年情報技術が伸展する中、新たな技術を現場にあてはめることにより水管理・水防災の高度化を進めている。
 河川氾濫・流域監視のため、雨量観測においては、集中豪雨や局所的な大雨を高精度・高分解能・高頻度でほぼリアルタイムに把握できるXRAIN(国土交通省高性能レーダ雨量計ネットワーク)の配信エリアを全国に順次拡大している。また、最新のIoT、ICT技術を活用し、洪水時の観測に特化した低コストな危機管理型水位計や静止画像を無線で伝送する簡易型河川監視カメラの設置、無人化・省力化流量観測機器の技術開発を進めている。
 また、河川管理及び災害対応の高度化を目指し、グリーンレーザーを搭載した水面下も測量可能なドローン等の実装化を図る取組みを進めている。
 また、豪雨等により発生する土砂災害に対しては、平常時より広域的な降雨状況を高精度に把握するレーダ雨量計、火山監視カメラ、地すべり監視システム等で異常の有無を監視している。また、大規模な斜面崩壊の発生に対し、迅速な応急復旧対策や的確な警戒避難による被害の防止・軽減のため、発生位置・規模等を早期に検知する取組みを進めている。
 また、災害時の浸水範囲・土砂崩壊箇所の把握にあたっては、平成29年5月に国土交通省とJAXAで締結した「人工衛星等を用いた災害に関する情報提供協力にかかる協定」に基づき、SAR衛星(だいち2号)による緊急観測する取組みを進めている。
 下水道分野においては、局地的な大雨等に対して浸水被害の軽減を図るため、センサー、レーダー等に基づく管路内水位、雨量、浸水等の観測情報の活用により、既存施設の能力を最大限活用した効率的な運用、地域住民の自助・共助の促進を支援する取組みを進めている。


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