第I部 進行する地球温暖化とわたしたちのくらし〜地球温暖化対策に向けた国土交通行政の展開〜 

第1節 地球温暖化の現状と将来予測

1 世界的な地球温暖化の状況

(今後100年間で気温4度上昇の可能性)
 「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、2007年(平成19年)に取りまとめた第4次評価報告書において、「20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性がかなり高い(発生確率90−99%)」とした。
 同報告書では、世界全体の平均気温が、1906年から2005年までの100年間で0.74度上昇しており、特に、20世紀後半の北半球の平均気温は、少なくとも過去1300年間で最も高温であった可能性が高いとしている。また、同報告書は、将来の温室効果ガスの排出量について複数のシナリオを提示している(注1)が、例えば、最も排出量の多い「このまま化石エネルギー源を重視した高い経済成長を実現する社会のシナリオ(A1FI)」では、100年後の世界の気温は4.0度(注2)上昇すると予測している。一方、最も排出量の少ないシナリオ(B1)でも1.8度(注3)の上昇が予測されており、いずれのシナリオでも気温の上昇は避けられないとしている。
 
図表I-1-1-1 温室効果ガスの排出量シナリオに基づく2000〜2100年の地上気温の予測

図表I-1-1-1 温室効果ガスの排出量シナリオに基づく2000〜2100年の地上気温の予測


(注1)シナリオの詳細は、下のアドレスにあるIPCC 第4次評価報告書(日本語版)22頁参照
    http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/ipcc_ar4_wg1_spm_Jpn_rev2.pdf
(注2)可能性の高い予測幅は2.4〜6.4度
(注3)可能性の高い予測幅は1.1〜2.9度

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む