第I部 進行する地球温暖化とわたしたちのくらし〜地球温暖化対策に向けた国土交通行政の展開〜 

2 日本における地球温暖化の状況

(今後100年間で気温2〜3度上昇の可能性)
 全世界における傾向と同様に、日本においても気温が上昇している。気象庁の観測によれば、日本の年平均気温は、1898年から2007年までの約100年間に1.07度上昇しており、特に、1990年(平成2年)以降、高温となる年が頻出している。
 
図表I-1-1-2 日本の年平均気温平年差の推移

図表I-1-1-2 日本の年平均気温平年差の推移
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 気象庁の予測によれば、IPCCのA2シナリオ(注)に基づく日本における100年後の気温は、現在と比べて年平均で約2〜3度上昇するとしている。高緯度地域でより気温が上昇し(北海道の一部では4度程度)、また、夏よりも冬の方が大きく上昇するとしている。また、最低気温が25度以上の熱帯夜や最高気温が30度以上の真夏日の日数も、全国的に増加すると予測している。特に、九州南部や南西諸島で増加し、多いところではそれぞれ年間40日以上増加するとしている。
 
図表I-1-1-3 A2シナリオに伴う平均気温の上昇(「2081年平均値」と「1981〜2000年平均値」の差)

図表I-1-1-3 A2シナリオに伴う平均気温の上昇(「2081年平均値」と「1981〜2000年平均値」の差)


(注)A2シナリオでは、2100年の時点で世界人口は約150億人に達し、エネルギーは地域内の資源に依存する割合が高いため、アジアなど石炭が豊富な地域では石炭依存度が低下せず、温室効果ガスも高水準になると想定している。

 

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