第I部 進行する地球温暖化とわたしたちのくらし〜地球温暖化対策に向けた国土交通行政の展開〜 

4 くらしにおける取組みの必要性

 先に述べたように、家庭部門、業務その他部門におけるCO2の排出量は1990年度(平成2年度)以降大幅に増加しており、運輸部門における排出量も2001年度(平成13年度)以降減少に転じたものの、1990年度(平成2年度)と比較すると増加している。運輸部門における排出量の増加分の大部分を自家用乗用車が占めることを踏まえると、増加している分野はいずれもわたしたちのくらしに関係している。このため、今後、我が国におけるCO2排出量を大幅に削減していくためには、わたしたちがくらしの中で取り組んでいくことが不可欠である。
 また、CO2排出量の削減の努力は、当面の京都議定書の約束を達成して終わるものではなく、国民一人一人が将来にわたって取組みを続けていかなければならないものである。そのためには、利便性や快適性など生活の質を確保しつつ、わたしたちのくらしそのものを地球環境にやさしいものに変えていくという視点が重要となってくる。
 第2章では、そのようなくらしに関わるCO2削減の取組みについて、運輸、住宅・建築物、さらに、それらを包含した都市・地域という3つの視点から、現状と課題を整理する。

 

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