
国土交通白書 2020
第3節 国際環境に関する予測
(1)世界人口と世界経済の予測
(世界人口の将来予測)
国際連合の推計によると、世界の人口は2019年(令和元年)の77億人から2030年には85億人(10%増)へ、2050年までに世界の人口が約100億人までに拡大すると同時に、平均寿命が地球規模で延び、高齢化も進むと予測されている。
サハラ以南アフリカの人口は、2050年までに倍増し、北アフリカ・西アジア等、後発開発途上国注23の多くで急速な人口増加が見込まれる一方で、人口減少する国も増加すると予測している(図表I-2-3-1)。

(主要国GDPの将来予測)
主要国におけるGDPの長期予測においては、米国が中国と拮抗するものの、2060年頃には1位、日本の経済規模は縮小し、インド、ドイツに抜かれ5位と予測されている(図表I-2-3-2)。

(2)国際競争力の変化
(世界の観光旅客数の将来予測)
国連世界観光機関(UNWTO)によると、2019年(平成31年)1月時点の推計において国際観光客数は2010年から年平均3.3%で増加し、2030年には18億人に達するとされている。新興国・地域(アジア、ラテン、中央・東ヨーロッパ、東・地中海ヨーロッパ、中東及びアフリカ)は、先進国・地域の約2倍の増加で推移し、2030年には、全体に占める新興国・地域の割合は先進国・地域を上回ると予測されている(図表I-2-3-3)。また、世界市場におけるアジア・太平洋の割合は2010年の22%から2030年には30%、中東は6%から8%、アフリカは5%から7%へ増加すると予測されている。

現在、世界経済が総じて成長傾向にある中で、ビザ緩和、航空利用による旅行の浸透などが海外旅行市場の拡大につながっており、当初、14億人達成は2020年と見込まれていたが、2年前倒しの2018年に達成している(図表I-2-3-4)。

(世界の航空旅客数の将来予測)
国際航空運送協会(IATA)によると、2018年(平成30年)10月時点の推計において、航空旅客数は年平均3.5%の成長率で増加しており、2037年には82億人に達する可能性があると予測されている。特に、2017年と比較して急速に成長する市場として、中国は2037年には10億人の新規旅客を生み出し、総数で16億人、インドネシアは2.8億人の新規旅客数を生み出し、総数で4.1億人、タイも1.2億人の新規旅客数を生み出し、総数で2.1億人の市場規模になると予測されている(図表I-2-3-5)。


(インフラ需要の将来予測)
世界のインフラ需要は、年1~3%の増加率で堅調に推移して、2040年(令和22年)には4.6兆USドルへ拡大していくものと予測されている。エリア別にインフラ需要を見ると、2040年にアジアが世界全体のインフラ需要の半分以上を占め、アジアのうち約6割は中国のインフラ需要であると予測されている。2007年と2040年のインフラ需要の比較を見れば、需要量としては中国が31.3%と最も大きく、次にアジア(日本を含む)が23.5%となっているが、インフラ需要の増加率で見れば、アフリカで330.6%、中国で232.7%と、今後大きく伸びると予測されている(図表I-2-3-7)。

- 注23 国際連合が定める世界の国の社会的・経済的な分類の一つで、開発途上国の中でも特に開発が遅れている国々。