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国土交通白書 2020

第5節 危機管理・安全保障対策

■5 重篤な感染症及び影響の大きい家畜伝染病対策

(1)重篤な感染症対策

 重篤な感染症対策については、厚生労働省や内閣官房をはじめとする関係省庁と緊密に連携し対応している。

1)新型インフルエンザ等対策

 「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(特措法)においては、感染拡大を可能な限り抑制し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響を最小となるようにするため、国土交通省を含む指定行政機関は自ら新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施し、並びに地方公共団体及び指定公共機関が実施する対策を的確かつ迅速に支援することにより、国全体として万全の態勢を整備する責務を有するとされている。

 国土交通省では、国土交通省新型インフルエンザ等対策行動計画において、特措法の各種措置の運用等について、(ア)運送事業者である指定(地方)公共機関の役割等、(イ)新型インフルエンザ等緊急事態宣言時の対応等を規定している。

 また、毎年、国土交通省新型インフルエンザ等対策本部の運営訓練を実施し、関係省庁が実施する検疫の集約化への協力等、必要な対応を確認している。

 なお、特措法については、新型コロナウイルスの発生を踏まえ、新型コロナウイルス感染症もその対象とする改正が行われている。

2)「新型コロナウイルス感染症対策」については、「特集 新型コロナウイルス感染症への対応」を参照

3)エボラ出血熱感染症対策

 アフリカのコンゴ民主共和国において、エボラ出血熱の感染地域が拡大したことを受け、令和元年7月18日に世界保健機構(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態宣言(PHEIC)」を宣言した。また、同年8月4日には、我が国において感染が疑われる患者が確認(検査の結果、陰性であることが判明)されたこともあり、国土交通省では、空港、港湾施設における検疫実施の円滑化について関係事業者に対する協力要請、エボラ出血熱に関する注意喚起を旅行者に対して行うよう、旅行業関係協会に対し指示するなど、関係省庁と緊密に連携して必要な対応を講じている。

(2)影響の大きい家畜伝染病対策

 影響の大きい家畜伝染病対策については、平成30年9月、岐阜県の養豚場において、我が国では、4年以来26年ぶりとなるCSF(豚熱)の発生が確認され、その後、岐阜県と愛知県を始め8府県での発生が確認されている。国土交通省では、県等関係自治体が実施する防疫措置に必要となる資機材の提供、同自治体が行う防疫措置についての関係事業者に対する協力要請、人には感染しないこと等の正確な情報提供を旅行者に対して行うよう、旅行業関係協会に対する指示をするなど、更なる感染拡大の防止のため、関係省庁と緊密に連携して必要な対応を講じている。